ロシアの軍艦が英プリマス沖で実弾演習、英仏軍が監視するなか

細長い灰色の軍艦が水上に浮かんでいる。 側面には白字で「772」と記されてい

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画像説明, ロシアのフリゲート艦「ネウストラシムイ」
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ジョナサン・ビール防衛担当編集委員

ロシア海軍の軍艦は20日、英プリマスから南にわずか74キロの海上で実弾による砲撃演習を実施した。イギリス海軍はこの演習を監視しており、国防省の報道官は「当該艦艇の活動を綿密に追跡している」と述べた。

BBCが入手した情報によると、ロシアのフリゲート艦「ネウストラシムイ」は、演習前に英海軍の哨戒艦タインに対し、砲撃活動を行う旨を伝えていたという。

この日に就任したばかりのウェス・ストリーティング国防相は、この演習を「示威的で無責任」と批判した。一方ロシア大統領府(クレムリン)は、この演習とアンディ・バーナム氏の英首相就任には何の関係もないと表明している。

クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官はBBCニュースに対し、「我が国の軍艦が行うすべての(軍事)演習およびすべての活動は、国際法および海洋法を厳格に順守して実施されている」、「したがって、この中に何らかのシグナルを見いだす必要はない」と語った。

一方でペスコフ報道官は、バーナム首相がロシアにシグナルを送ったと指摘。「イギリスの新しい首相が就任して最初に行ったことの一つは、ウクライナへの無条件の支持を表明し、それに伴いイギリスの、戦争を継続するために可能な限りあらゆることを行う意向を表明することだった」と述べた。

ストリーティング氏は、ロシアに英新政権とバーナム首相の「決意について疑う余地はないはずだ」と述べた。

イギリス国防関係筋は、この演習がバーナム氏の首相就任時期に合わせて計画されたものかについて、コメントを控えた。

Alt:ロシアの軍艦の周囲での英仏軍の活動を示した地図。英南部プリマス沖での、イギリス軍の航空機、英海軍の哨戒艦タイン、フランス軍のヘリコプターの追跡データを線で示している。イギリス軍の航空機は空軍の戦闘機「タイフーン」2機、空中給油機「ボイジャー」1機、ヘリコプター「スーパーリンクス」1機の少なくとも4機が含まれる。出典はADSBエクスチェンジ、マリン・トラフィック

実弾を使った砲撃演習は国際水域で行われ、30分にわたって続いた。

ロシアの軍艦は、イギリスの哨戒艦タインに対し、より安全な距離に移動するよう要請。タインはそれに応じた。

BBCが入手した情報によると、フランス軍も上空からネウストラシムイを監視していた。フランス軍機は無線で同艦に連絡を取り、意図を明らかにするよう求めたという。

BBCヴェリファイ(検証チーム)は、20日にプリマスに近い英仏海峡とその周辺で活動していたタインと複数のイギリス軍機の位置を示す、飛行および船舶追跡データを分析した。

ADS-Bエクスチェンジの飛行データによると、少なくとも4機のイギリス空軍およびイギリス海軍の航空機が、南部ドーセット沖で主にイギリス領海上を飛行していたことが示されている。これには空軍の戦闘機「タイフーン」2機、空中給油機「ボイジャー」1機、ヘリコプター「スーパーリンクス」1機が含まれている。

フランス軍のヘリコプター「H160Mゲパール」も同日午後、英仏海峡上空を飛行した。ただし、この機体がロシア軍艦とやりとりしたかは不明だ。

一方、船舶追跡サービス「マリン・トラフィック」のデータによると、タインは英夏時間20日午後1時57分、プリマス沖約65キロメートル地点で位置情報の発信を開始した。同艦は約2時間その場所にとどまった後、午後3時56分にプリマスに向けて発進した。

タインは、少なくとも今月16日からネウストラシムイを追跡している。この日、両艦は英サフォーク州フェリックストウ港から約58キロメートル離れた北海で、人工衛星画像に捉えられていた。

今回の件はバーナム首相に、イギリス近海でここ数カ月、ロシア海軍の活動が活発化していることを、改めて認識させただろう。

イギリス海兵隊のコマンドー部隊は6月、英仏海峡でロシアの「影の艦隊」に属する石油タンカーに乗り込み、6時間に及ぶ作戦を実行した。イギリス軍がこうした作戦を行うのは初めてだった。

その直後には、英仏海峡のワイト島から約37キロメートルの国際水域で、イギリス人夫婦の乗ったヨットに対し、ロシアのフリゲート艦「アドミラル・グリゴロヴィッチ」が警告射撃を行った

ロシア国防省は、ヨットが軍艦に対して「危険な接近」を行ったと述べた。一方、ジェーン・ケルヴィー氏とアラン・ケルヴィー氏は、「衝突コースには絶対にいなかった」とBBCに語った。

ロシアの軍艦は、イギリスやフランスの領海とは区別された、英仏海峡の国際水域を定期的に航行している。

退役した英海軍司令官のトム・シャープ氏は、BBCラジオ4の番組「ワールド・アット・ワン」で、英南部の海岸のすぐ近くで砲撃訓練が行われるのは「非常に異例」だと述べた。

「完全に許容される行動ではあるが、私としては、ある種のシグナルだと考えている」と、シャープ氏は述べた。

同氏によると、100ミリ砲を発射する前に、ロシア艦はタインへの警告以外の安全対策を一切講じなかったという。

「あの口径の武器を発射する際の問題点の一つは、跳弾が数マイル、場合によっては目標地点から10マイル(約16キロ)以上もずれて飛んでしまう可能性があることだ」と、シャープ氏は付け加えた。

「ここは世界で最も交通量の多い航路で、弾がどこへ向かうのか誰にもわからない」

イギリスはどのように対応すべきかという質問に対し、シャープ氏は、「我々が英仏海峡での賭け金を引き上げたために、彼ら(ロシア)がそれに反応したという主張も可能だ」と説明。「我々は彼らの『影の艦隊』の1隻であるスミルトスに乗り込んだ。同船は現在、南海岸沖に停泊している」と述べた。

「我々は今、冷戦時代の常態とも言える報復合戦の渦中にいる。かつてはこうしたことが日常茶飯事だったことを忘れているが、今またそれが、イギリスに近づきつつあると認識する必要がある」

追加取材 :エラ・キプリング、バーバラ・メッツラー、トーマス・スペンサー、パトリック・ジャクソン