ゼレンスキー氏、ウクライナ軍総司令官を解任 連日の抗議デモを受け

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ヤロスラフ・ルキフ記者、ポール・アダムス外交担当編集委員(キーウ)
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日、オレクサンドル・シルスキー軍総司令官を解任した。
ゼレンスキー氏は最近、人気が高かったミハイロ・フェドロフ国防相を更迭し、全国各地で抗議デモが起きていた。
フェドロフ氏の更迭の背景にはシルスキー氏との対立があるとのうわさが流れ、それが正しいことが間もなく確認されていた。
35歳のフェドロフ氏は、国防省の活性化や軍の改革、汚職撲滅運動の主導などの功績が広く評価されてきた。一方、60歳のシルスキー氏は多くの国民から、軍の急激な改革に消極的なソ連時代の指揮官とみなされている。
シルスキー氏の後任には、人気があり、実戦経験が豊富なミハイロ・ドラパティ統合軍司令官(43)が就任した。
ドラパティ氏は、「私は責任感を持ち、全神経を集中させ、いま私たちの国を守っている人々に敬意を払いながら、職務にあたる」とフェイスブックに投稿した。
また、シルスキー氏が進めた「ウクライナ軍強化の一貫した努力」への感謝を表明し、「私はその中で育った」と付け加えた。
ゼレンスキー氏も21日遅く、ソーシャルメディアに動画を投稿。2022年に始まったロシアの本格侵攻の初期における首都キーウの防衛などでシルスキー氏が果たした役割に感謝の意を表した。
さらに、日中にフェドロフ氏と会い、「権力中枢における重要な役職」を提示したと明らかにした。申し出が受け入れられたのかについては言及せず、「すべての決定は明日正式なものとなる」とした。
ゼレンスキー氏は先週、国防相をフェドロフ氏からイェウヘニー・フマラ保安庁(SBU)長官代行に交代させた。

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一方、フェドロフ氏は、ドラパティ氏の軍総司令官就任を祝福。同氏の任命について、「自由と正義を求める自由な人々の戦いにおける新たな希望」と評した。
そして、それは「無視することのできない変革の声」だとした。
フェドロフ氏はまた、シルスキー氏に電話し、キーウ州の防衛や他の「歴史的な戦い」に関して感謝を伝えたと説明。
「だが、私たちはさらに素早く行動し、過去の過ちをすべて正す新たな章を書き記す必要がある」と付け加えた。
フェドロフ氏は、今年1月に国防相に任命されたばかりだった。データを使って前線の軍事行動を分析、改善しようとした姿勢は広く称賛されてきた。
2022年のロシアの全面侵攻開始時はデジタル変革相で、早い段階から積極的に対応し、ロシアに対するサイバー攻撃を仕掛けるボランティア組織「ウクライナIT軍」を設立するなどした。
のちに、「ドローン軍」と呼ばれる資金調達キャンペーンを成功させた。また、戦争に「ゲーム化」の要素を取り入れ、ウクライナ部隊がロシアの資産を攻撃することでポイントを獲得できるシステムを設計した。

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フェドロフ氏の更迭は各地で抗議活動を引き起こし、これまで6日間にわたって続いている。ゼレンスキー氏に対して、シルスキー氏の解任を求める圧力が強まった。
ゼレンスキー氏はそうした圧力に屈し、シルスキー氏に代えて、より若く革新的な指揮官とみなされているドラパティ氏を据えたとみられる。ドラパティ氏は、フェドロフ氏の親しい友人とされる。
フェドロフ氏がドラパティ氏を明確に支持したことは、先週来の政治危機の沈静化に向けて一定の効果を生む可能性が高い。
軍総司令官は当面、フマラ国防相が務める。ゼレンスキー氏はフマラ氏とドラパティ氏に対し、軍の制度改革や武器供給、ドローンなど、主な課題を網羅した新たな国防戦略の策定を指示した。
シルスキー氏はこれまでのところ、最新の展開について公にコメントしていない。
同氏は20日、ウクライナの軍事ウェブサイト「ミリタルニ」への寄稿で、フェドロフ氏との関係について、「仕事上の関係だと捉えていた」とした。
そして、「もし私が誰かにいやな思いをさせたのなら、ミハイロ・アルベルトヴィチ・(フェドロフ)、おわびする」と書いた。
ウクライナの複数の都市で抗議行動が起きていることをめぐっては、シルスキー氏は、軍関連の契約や調達、動員などの問題が現在マスコミで取り上げられ、抗議デモ参加者らによって短いスローガンで簡略化されているが、それらはほとんどの人が考えているよりはるかに複雑だとした。
そのうえで、「人々の命に関わる決定は、スローガンで下されるものではない」、「戦争に勝利するのは、それを取り巻く世間の騒ぎではなく、真の仕事だ」と書いた。
フェドロフ氏が権限のある公職に復帰し、ロシアとの戦争で改革を推進し続けることを、抗議デモの参加者たちは求め続ける見通し。
同氏が公職に戻れば、ゼレンスキー氏にとっては当面のダメージ修復になる。しかし多くの国民は、そもそも大統領は判断を誤ったと考えているため、ゼレンスキー氏への厳しい目は続くと思われる。















