トランプ米大統領、カナダに50%の追加関税

両首脳がカメラに向かって横を向いて立ち、カーニー氏がトランプ氏に話しかけている

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画像説明, アメリカのドナルド・トランプ大統領(左)とカナダのマーク・カーニー首相。6月16日、フランス東部で開かた主要7カ国(G7)首脳会議で
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ドナルド・トランプ米政権は20日、アメリカ製の自動車、乳製品、アルコール飲料に対する「不平等な扱い」への報復だとして、カナダからの輸入品に対し、50%の追加関税をかけると発表した。 トランプ大統領が同日、追加関税を指示する文書に署名。関税は30日以内に発動し、両国間の貿易摩擦の大幅なエスカレーションにつながるものとなる。

ホワイトハウスは、この追加関税はアメリカ企業を守るために必要だと説明している。

対象となる商品は、ワインやホッケースティックといった日用品から、業務用セメントなどの工業製品まで多岐にわたる。ただし、エネルギー、カリウム、重要鉱物、魚介類など、複数の主要輸出品は対象外となる。

この追加関税は、対象となる全商品に適用される。当該商品が、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の対象かどうかは影響しない。

カナダのマーク・カーニー首相はこれに対し、カナダは今後数週間のうちにアメリカとの貿易交渉を「強化する」用意があると述べた。

カーニー首相は声明文をソーシャルメディアに投稿し、「カナダ・アメリカ・メキシコ協定に直接違反する形で、アメリカが一連の関税を課したことを皮切りに、アメリカは一方的な貿易措置を続けている。今回のこれは、その最新事例だ」と批判した。

首相はさらに、「カナダの主権に対する脅威」にも言及した。これは、トランプ氏がカナダをアメリカの51番目の州にするよう繰り返し呼びかけていることを指している可能性がある。

両国間にはすでにさまざまな貿易障壁がある。アメリカはカナダ産の鉄鋼、アルミニウム、銅に対し、15%~50%の関税をかけている。また、カナダ産の針葉樹材には35%の関税を課し、自動車に使用されるアメリカ製以外の部品には25%の関税を課している。

対するカナダは、アメリカからの鉄鋼、アルミニウム、自動車の一部輸入品に対し、25%の相殺関税を課している。

トランプ氏はこれに先立ちカナダ各地の山火事による煙がアメリカの都市に到達していることを理由に、関税を課すと脅していた。

しかし、トランプ大統領が20日に署名した大統領令には、山火事に関する記述は一切ない。

その代わりに3つの布告は、アメリカが問題視していることをカナダがすでに認識していた自動車、乳製品、アルコールに関連するアメリカ側の懸念事項を列挙している。このことから、両国間の貿易交渉が決裂したことがうかがえる。

自動車についてトランプ氏は、カナダがUSMCAの対象外になっているアメリカ製自動車および部品に課税していると非難。それは「不合理」で、カナダは他の国々に同様の税金を課さないことでアメリカを差別していると主張している。

北米における自動車製造は、カナダ、アメリカ、メキシコの間で高度に統合されている。

しかし、トランプ政権のハワード・ラトニック商務長官はかつて、カナダはアメリカに「次ぐ」存在であるべきだと考えていると発言した。

トランプ氏も過去に、両国間で利害が対立する問題の一つとして自動車を挙げたことがある。

乳製品については、外国からの輸入量を制限するカナダの供給管理システムを、アメリカはかねて問題視してきた。制限量を超えた場合、カナダは300%以上の関税を課している。

加えて、カナダのほとんどの州が両国関係の悪化を受け、昨年からアメリカ産スピリッツ(蒸留酒)をボイコットしている。アメリカ側はこのことも問題視している。

対するカナダの州首相らは、アメリカが金属や自動車などのカナダの主要産業に対する関税を撤廃すれば、ボイコットは解除されると繰り返している。

カナダの貿易交渉担当者は、少なくとも現在のアメリカによる関税の一部を引き下げる合意を確保しようと努力してきた。

BBCはホワイトハウスとカナダ政府にコメントを求めた。

アメリカの連邦最高裁は今年2月、トランプ氏が1977年制定の国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき発動させた世界的な関税措置を無効とした。

最高裁判事たちは、国家的な緊急事態にのみ適用されるはずの同法に基づく関税の発動は、大統領権限の逸脱にあたると判断した。

ホワイトハウスは当時、輸入関税を課すために他の手段を講じると主張していた。

トランプ政権は今回の追加関税は、外国による差別的な待遇でアメリカが不利益を被る場合、大統領が最大50%の追加関税を課すことを認めた「1930年関税法第338条」に基づくものだとしている。

カナダ商工会議所のキャンディス・レイン会頭は、トランプ政権の今回の措置は「残念な決定」だとしつつ、追加関税が30日後に発動する前に、関係当局が協議を通じて「有意義な進展」を実現するよう促した。

アメリカ蒸留酒協議会のクリス・スウォンガー会長も、紛争の解決策を見出すよう両国の担当者に求め、今回の決定は「貿易摩擦を深め、さらに報復されるリスクを高める」と警告した。

トランプ政権は今月1日、USMCAを現行の形では延長しないと決定した。USMCAは、トランプ第1次政権時に発効した。

カナダとメキシコは協定の延長を求めているが、アメリカは協定の内容を変更したいと考えている。

現状では、2036年の協定終了まで、毎年見直しをしながら、北米の貿易枠組みとして続くことになる。